現場指揮の根本は事前命令と火災の変化に対応した現場命令である。
また火災の覚知により所定の信号で指定の場所に参集して出場する。この時点から現場指揮が始まる。
出 場 :包囲形態を考慮した出場順路
水利等を考慮した順路変更
水利状況の指示
現場到着:火災推移状況の判断
侵入部署指揮
1火災初期の判断
開口部の一部から黒煙噴出しても局燃焼であるから、一挙注水により消火する、木造
以外も同様。
2火災中期の判断
初期の段階を過ぎ、白煙から黒煙に変わり建物全体に火がまわろうとする時期で、室
温が700℃前後に上昇で3〜7分ぐらいでフラッシュオーバーを起こすことがあるの
で注意する。最先着の消防車両が現着し活動開始時間と重なるので十分注意する。防火
建物では壁の間や天井裏を経て通気口や瓦等の隙間から煙が噴出し窓ガラスの破損が始
まる。この時期には、建物を包囲するように筒先を配備する。
3最盛期の判断
建物全体に火がまわり、黒煙は少なく火炎が噴出し延焼危険が増大する。局部的に1
200℃を越えることもある。木造の場合焼け落ちまで15uで4〜7分、50で7〜
13分、防火造の場合50u13〜から35分で、きわめて早いので迅速な対応が必
要である。延焼拡大したら隣棟にも筒先配備
4現場判断
現場判断とは、事前における教育訓練等を元にした消火方法を決定補完することであ
る。この判断には誤りや消火技術に欠けることがあれば活動は失敗する。
最も簡明に火災の対局を把握して合理的に作戦式をする秘訣は「現場到着と同時に火
点を一巡する」ことである。これを火点一巡の原則といっているが、理想であって実行
困難なことが多い。具体的に言うならば先着隊の分団長や部長は、自体筒先配備の担当
先の担当面を把握する。これを実行しなかったため人命救助の時機を失したり、横風の
延焼に気づかず大火にした例は各地にある。指揮者は、風位風速、人命救助の有無、延
焼状況等を的確に判断し、対処するとともに必ず上級に報告しなければならない。
火災の状況の推移
@初 期 建物、家屋等の一部が独立燃焼している時期であり窓等の開口部から、白煙がでている。
A中 期 家屋等の延焼から天井面まで火災が広がる。噴出する煙の色は、黒、あるいは褐色となり煙の勢いも強くなる。
火災の状況変化が激しく、開口部のしまっている建物では、フラッシュオーバーとともに急激に最盛期に至る。
B最盛期 もっとも延焼の盛んな時期、炎の噴出、強烈な放射熱で隣接建物への延焼危険が増大する。
C減衰期 最盛期を過ぎ、火勢が衰える。