バックドラフト
室内に可燃性ガスが充満して酸欠状態にあるとき、急に新鮮な空気が供給されると、
大きな爆発音をたてて火炎が一挙噴出することがあります。
これがバックドラフトと呼ばれる現象です。煙爆発とも呼ばれ、一種の爆発現象といってよいでしょう。
この現象の原因は、開口部の設定です。
しかし、バックドラフトはフラッシュオーバーと違い火災の経過の中で起きるのではなく、
日本ではまれにみる現象です。
*事例
目時昭和51年12月26目
発生時間深夜
出火場所静岡県沼津市
構造耐火造3階建
名称大衆サロン「らくらく酒場」
死傷者死者15名負傷者8名
内容
消防界では低層階の火災でなぜ多数の死者がでたのかに関心が集まりました。
その反面、負傷者については関心が及ばなかった。それは通行人であり、歩道上
で受傷
供述内容は、歩道上で火元建物のドア(アクリル製)の内側の火事をのぞき見て
いたら、ドアが軟化して内部にへたれ込んだ瞬間、「自動車のバックファイヤーのよ
うな」大きな音ともに突然火炎が噴出し、火傷した。噴出直前、「ヒュー」と音を立
てて空気の吸い込みがあり、本能的に危険を察知して逃げようとしたが、間に合わ
なかったと言っています。この直前の空気の吸入は、バックドラフトの特徴的な前
兆現象であるといわれているもので、バックドラフトで受傷した。